Gynecology

婦人科

婦人科

当院の婦人科について

当院では月経やホルモンバランスに伴うさまざまな症状に対しての診察や、卵巣嚢腫や子宮筋腫といった良性疾患から子宮体がん・子宮頸がんや卵巣がんという悪性疾患まで全般を診療しております。
手術は経腟手術や開腹手術、低侵襲である腹腔鏡手術ともに行っております。また手術以外の治療に関しては化学療法や放射線治療なども可能です各々の疾患により適応や選択肢が異なりますので、診断後にご説明いたします。

また婦人科検診枠を設けており、子宮頸がん検診(細胞診)、内診、超音波検査を受けていただくことができます。費用は6600円(税込)で、結果は2〜3週間で自宅へ郵送で届きます。
再診が必要な場合でも、安心して当院を受診いただくことが可能です。

診療内容

良性腫瘍(卵巣のう腫・子宮筋腫・子宮腺筋症など)に対する手術では、下腹部を横に切開する慈恵医大の伝統的な樋口式横切割を実施し、適応例には腹腔鏡下手術を積極的に行っております。 月経困難症、不妊症、卵巣がんの発生にも深く関連する子宮内膜症に対しても、患者さんの状況に応じた管理を積極的に行っております。
 悪性腫瘍(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなど)に対しては、治療ガイドラインに基づく標準療法をすすめています。さらに特定非営利活動法人 婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG: Japanese Gynecologic Oncology Group)の臨床試験に参画し、最適な化学療法の実施に取り組んでいます。

主な対象疾患

  • 月経異常

    無月経や月経周期異常、過多月経、月経困難症、PMSなど
    適切な治療を行うことで将来の妊孕性を維持したり、月経を整えて生活の質を向上させることができます。

  • 良性疾患

    卵巣嚢腫、子宮筋腫、異所性妊娠など
    大きさや術前の画像診断により治療方法が異なります。手術が必要かどうかの判断から手術の場合は開腹手術の適応なのか腹腔鏡手術や子宮鏡手術が適応となるのかをしっかり見極めます。

  • 悪性疾患

    卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がん、腟がん、外陰がんなど

患者数・症例数・生検数・手術数・治療成績等

1日外来平均患者数

約60人、病床(38床)

年間分娩数

約120件、帝王切開率は30%程度

年間婦人科手術件数

約310件、そのうち良性腫瘍が約260件(腹腔鏡・子宮鏡下手術約130件含む)、悪性腫瘍が約50件です。

悪性腫瘍初回治療件数

子宮頸がん約5件、子宮体がん約20件、卵巣・卵管・腹膜がん約25件。
悪性腫瘍に対しては手術、化学療法あるいは放射線療法を組み合わせた積極的治療を行っております。

当院での不妊治療について

当院は、不妊治療以外の診察や治療も行っています。
不妊治療を希望し、初めてご来院される方とは、ゆっくりお話しできる時間を設けたいと思っております。
ご予約なしで当日受診して頂くことも可能ですが、その場合、待ち時間の発生やゆっくりお時間をお取りできない可能性がございます。

当科の特長

当院の婦人科では、2017年から開設した不妊外来では、スクリーニング検査としてのホルモン検査、タイミング法・人工授精(AIH)といった一般不妊治療に対応しております。子宮卵管造影検査や配偶者の方の精液検査も行っております。卵巣腫瘍や子宮筋腫を合併している不妊症の方に対しては、腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術を行うこともできます。

検査方法

まず生殖器系に問題のないカップルが排卵時に性行為を行うと約20%の確率で妊娠します。そのため不妊症とは一般的に1年間以上妊娠に至らないことをいいます。ただし、年齢による不安や婦人科疾患の既往、過去の妊娠歴などにより事情が異なりますから妊娠できない期間が短くても心配であれば遠慮なくご相談ください。
検査は月経周期(生理から生理までの間の期間)によって異なります。

治療方法

当院で行うのはタイミング治療と人工授精です。
体外受精が必要と判断された場合は近隣、またはご希望の治療施設へそれまでの検査、治療所見を添えて紹介状を書かせていただきます。
当院で行っているタイミング治療および人工授精ついて説明いたします。

タイミング治療

自分では排卵日がよくわからない方や排卵障害のある患者様などに行う治療です。

1周期あたりの妊娠率10~20%

排卵時期には子宮内膜が肥厚し、卵巣内の卵胞が増大、破裂します。
それらを経腟超音波で観察し排卵の時期を同定しタイミングをとってもらう治療です。

人工授精

自宅で採取した精子を洗浄、濃縮し子宮内に注入する治療です。精子は排卵期にのみ子宮頚管から分泌物によって子宮内に到達することができますが、精子の状態が不良である場合や充分な頚管分泌物が分泌されない場合には子宮内に到達することができません。人工授精はそれら軽度精子不良、頚管粘液分泌不全に対する治療です。

1周期あたりの妊娠率10~30%

  • タイミング治療や人工授精を行うにあたり、妊娠率を上げるため排卵誘発剤を使用することがあります。

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当科の女性医学について

当科では、産科部門、婦人科部門、生殖・内分泌部門と3本の柱で構成されていましたが、女性のQOLの維持・向上のために女性に特有な心身にまつわる疾患を主に予防医学の観点から取り扱う部門として、4本目の柱である女性医学を取り入れています。

更年期障害を中心に診療していましたが、現在は思春期医学や手術による外科的閉経の患者などのヘルスケアも行っています。今後は女性アスリートや小児悪性腫瘍治療後のヘルスケアにも携わっていきたいと考えています。

女性医学とは

女性医学は、ライフスタイルに合わせた健康寿命を維持するため特に今後の高齢化社会においても重要な分野と考えています。 現在は周閉経期から老年期にかけての心身の変化に対応する更年期医学を中心に、思春期医療や外科的閉経なども診療にあたっています。十分に時間をかけて問診をとり、患者様の社会的背景や心理的因子の有無を確認しつつ、ホルモン補充療法、漢方療法、自律神経調整剤など用いた治療を行っています。

特長

若年では月経困難症やPMS、周閉経期では月経異常や更年期症状、閉経後の萎縮性腟炎などに対して診療を行なっております。鎮痛剤や低容量ピル、漢方、抗不安薬などを用いた治療が可能です。

患者様は最初から婦人科を受診するとも限らず、他科で不定愁訴に対し精査を勧められた上で最終的に女性ホルモン関連の疾患と疑われ紹介されるケースも多いです。また、骨盤臓器といい子宮・膀胱・腟・直腸などが下垂して脱出する骨盤臓器脱に対しても診療を行なっております。排尿排便障害や違和感や性交障害など日常生活への影響が生じることがあります。治療法は様々で生活指導、リング、手術全般に対応しております。手術は経腟手術と腹腔鏡下手術が可能です。腹腔鏡手術は低侵襲かつ再発率が少なく満足度の高い手術として近年注目されています。

また逆に精神症状が強い場合は専門医の受診を勧め精神科へ紹介するケースもあります。
他科との連携が治療過程に非常に重要となる場合もあるのが特徴的です。